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<丸嶽コモン再生プロジェクト>第二回環境改善体験レポート 2024/2/4

2月4日、環境改善体験が坂田昌子氏を招いて再び実施されました。 

 

 

坂田昌子氏
坂田昌子氏

 

 

講 師:  坂田昌子氏

 

国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表、CEPAジャパン理事を経て、現在は一般社団法人コモンフォレストジャパン理事、環境NGO虔十の会代表。

 

生物多様性条約締約国会議や国連持続可能な開発会議「地球サミット」等の国際会議にも参加し、国際会議と市民をつなぐ活動を行う。地元の東京都高尾市の自然保護活動をしつつ、日本各地の講演活動や現地ガイドに招かれ、生物多様性を保全し持続可能な地域づくりに取り組む。 

 

 

 

 


 

前回から引き続いて沢づくりとなった今回は、地元の石灰加工業者から頂いた岩を使って石垣を作ったり、炭化処理を施した木杭を沢の淵に打ち込み柵を作るなど、いよいよ本格的な沢づくりのベースが出来上がってきました。


 

後半は坂田氏の先導のもと、沢の上流を辿ることに。地中に水分が保持できなくなり、沢の淵が崩壊して土砂が大量に流入してしまっている様子などを参加者の皆さんとともに確認していました。

 

「土が乾燥してくると笹がやってきて、土壌が崩れないように引き締めてくれる。ただ、そのせいで周りの植物の根が絞められて余計に笹しか生えなくなってしまう」

 

と坂田氏が話していると目の前に大量の笹が出現。

 

「笹は地上に生えている茎を地面ギリギリで切れば十分」

 

という坂田氏のアドバイスのもと、参加者総出で笹狩りをすることに。刈った笹は道の脇に平行に置いておくと雨を保持してくれるとのこと。

 

笹狩りを終え、さらに上流をさかのぼっていくと付近の杉の木に藤が巻き付く異様な光景が。

ここまでくると水の流れももはや無く、乾燥した森が広がっているばかりでした。

坂田氏は元々の水源には見込みがないと判断し、下流を水源地にする計画を立てていました。

 

上流から戻り、二つ目の沢を前にした坂田氏はゆくゆくは主流に合流させるため、橋ではなく、石堤を作ることを提案。普段は水を石のスキマから通して流れの勢いを削ぎ、想定以上の時は堤の上を流れるため、決壊の心配がないという画期的なもの。

現在は具体的な名前がないとのことですが、実績が認められた証には「坂田式石堤工法」と名前が付くことでしょう。

 

 

写真 / 文:エコロジーオンライン事務局